内村周子さん講演会『夢を追い続けて…』
今回のご講演は、体操金メダリスト内村航平選手の母内村周子さんです。
子どもの才能を最大限伸ばす子育てについて、母親にしかできないこと、母親だからできることについてお話を伺いました。
航平さんが生まれた瞬間、「すべての幸せをもらった!」と感じたそうです。
子育てのベースにある考え方は「生きていてくれればいい」。
オリンピックのときも、「金メダルなんてとれなくたっていい、ケガをせず、元気に笑っていてくれればそれでいい」と心の底から思ったそうです。
内村さんは仰います。「わたしは、いつも『いまが大切』と思っています。子どもたちから話しかけられたとき、『後でね』と言ったことは一度もありません。
子どもたちから『いま』電話が来たら、講演会の途中でも、インタビューの途中でも、『ちょっとすみません』と言ってでるでしょう。」と。後悔する可能性が1%でもあるなら、ほかの仕事が遅れて怒られたっていい。子どもの優先順位は、常に1番。
子育ての3原則は次の3点です。
1.子どもの前で夫婦げんかをしない。
2.子どもの前で人の悪口を言わない。
3.子どもの前でうそをつかない。
子どもの夢との向き合い方
航平がオリンピックを目指したのは10歳のときでした。父親がインターハイで獲った金メダルを見て、「あれが欲しい。」と言いましたはじめに聞いたときは絶対に無理だろうと思いました。しかし「無理」なんて口には出しませんでした「じゃあ、がんばらなくてはね。」と言って腹をくくりました。
「オリンピック選手になる」宣言から航平は変わりました。親として希望を叶えてやりたい。
借金をしてでも合宿や海外遠征に連れていきました。
いい演技を見せるために日本中を飛び回りました。
「オリンピック」という夢のためにずっと奔走していたと思います。子どもががんばるなら、親も死ぬほどがんばる。
この子のために何をしてやれるか。
1.夢を叶えたいなら能力を読み取ること。
自分は死ぬほど体操を練習したがオリンピックには行けなかった。
やらないで後悔するより、やってだめだったと考えたい。今、これを生かせなかったらこの子の先がないかも知れない。
頑張ってオリンピックに行けたら、この子はうれしいだろう。この子に夢を与えることができるかも知れない。
2.心技体が統一していないとき何もできない。
心がプレッシャーを受けると失敗する。本人ができないときは、まわりがサポートするべき。
結果が悪かったとき、「次に頑張ればいい」で喜ぶ子もいれば嫌がる子もいるその子の性格を十分読み取ること。
十人十色の言葉があり、いかに安心する言葉を投げかけることができるか、「魔法の言葉」を考えること。
3.良い環境と良い指導者との出会い。
「あの先生のところへ行きたい」
よい指導者との出会いによって、高校インターハイで優勝。
大学生でオリンピック出場。
子どもの能力が引き出される。
まとめ
ありのままのその子を、たくさん愛してあげること。
たくさんの笑顔にさせること。
好きなことを好きなだけさせること。
そのために、命をかける。
本当にお子様の事が好きで、自分の思いを押し付ける事なく子どもの才能を伸ばす為の努力をされてきたのだという事を感じました。
「あなたが生きていてくれればそれでいい。私より1秒でも長く生きていてほしい。」というのが今の気持ちです。
星野富弘さんの、「いのちが一番大切だと思っていたころ生きるのが苦しかった。
いのちより大切なものがあると知った日生きているのが嬉しかった」という一節で講演が終了しました。
大変すばらしいお話でした。心より感謝申し上げます。合掌 園長 長谷川俊道